千年樹氷の氷像


“樹氷の森にはね、
魔女様がいるんだよ”

“全てを凍らす、怖い魔女様が”
“だから、森へ行ってはいけないよ”

 

 

 

彼女は今日も
樹氷の森を一人行く。

森の奥深くへと進むと、
そこには大きな千年樹氷。

その木の中心に人の氷像—否、凍りついた“彼”がいた。


“彼”が森へ万能薬である薬氷花を取りに行ってしまった日、“彼”を見つけてしまった日…全てが全て、狂い始めた。

 


顔を上げると、千年氷樹の奥に大きな屋敷が見えた。

あの屋敷に行かなければと、
体が勝手に動く。

何かに取り憑かれた様に、無我夢中で屋敷への歩みを速める。

 

飾り気のない、重い扉を開けると“気配”がした。

薄暗いホールを見渡すと、彼女は確信した。

—魔女はここにいる

 

“またお前か”

頭の中で“魔女”の声が響く。

“懲りない奴だ、妾の氷像が
溶けるなどありえぬ事だ”

『彼を返して』

“叶わぬ幻想を夢見て、
毎日の様に森に通う…お前は愚か者だ”


『彼の為の行動は愚かでも何でもないわ』 』

“諦めてしまえば、楽になれる”
魔女の囁きは全ての心を凍てつかせる。


それでも彼女は諦めない。

忌まわしき魔女から、
愛する人を取り戻すまでは—

『汝、罪を悔い改めよ!』

 

 

 

 


“知ってる?
樹氷の森の千年樹氷には—”

『3つの氷像があるんだよ』

 

語り継がれる物語…嘘か真、そして真実は全て千年樹氷のみぞ知る—

 

 

 

 

 

 

 

【あとがき】
久しぶりの更新です。
この話、まだ続き…というか、シリーズが1つ2つある予定です。

多分読んでよく判らないっていうか意味不だと思います。

けど、今の所全てが解るように書く予定はないです。

自分で真相に辿り着いてn((ry
何かこういうサンホラみたいな、意味不もとい意味深な話がずっと書きたかったんですw((


じゃ、今回はこの辺で!
おるぼわーノシ