序章

 

―アリス―

「それは全てを支配するもの。

私は、我らは求めているのだ。

新しき“アリス”を。


全てが壊れる前に、新しきアリスを」



玉座に座る彼女はつぶやいた。













「っ・・・!ごめんね・・・ごめんね・・・!」

丘の上にたたずむ1つの墓。

その前で泣き崩れる少女。


「臆病者だ・・・私は・・・ごめんね・・・」


―嗚呼、私にもっと力があれば
 
 勇気があれば そうすれば―

「あなたの事、救えたのに・・・」


―強くなれたらいいのに

 こんな私でも、誰かを救える様になれれば・・・






―その2つの願いが、少女の物語のハジマリであった。

 

 

 +序章end+

 第一話へ続く・・・